褒めること、そして、ありがとうと言うこと。

最近、自分で家事をするように努力しています。

私は現在29歳なのですが、実家暮らしなこともあり、家事は全て親にまかせていました。
しかし、親も高齢なので、腰や膝、肩が痛くなってきて、生活が不自由になってきたこともあって、私が時たま手伝っていました。

最近、やっと家事のやり方が分かって、ついこの間、一人で料理を作れるようになりました。
その時に、親がとても喜んでくれて「ありがとう」と言ってくれました。
それ以来、お礼を言われるのが嬉しくて、家事を頑張るようにしています。

「ありがとう」という言葉は、すごいパワーを持っていると思います。
言われただけで「次もやってあげよう」と思わせるパワーがあります。

私の親は、私を育てることがとても上手で、私が褒められると調子に乗ることを分かっているのか、何でも褒めてくれます。

しかし、一時期褒められることが嫌いなことがありました。
なぜなら、親が私を褒めるのは「義務」なのではないかと思っていたからです。

「きっと親がやったほうが早く終わるし、なぜ私を褒めているんだろう?」「私は力不足なのだから、褒める必要はない」と思っていました。
そのように考えていたら、だんだん自己評価が下がってきて、うつ状態になりました。

でも、ある時に考え方を変える出来事が起こりました。

たまたま近所の子供と遊んでいた時に、「もっと〇〇ちゃん(子供の名前)を褒めてよ!〇〇ちゃんにしてはすごいでしょ?!」と、褒めることを要求されました。

その時に思ったのです。


「ああ、親が私を褒めていたのは、「あなたにしてはすごいね」と言っていたんだなと。
「あなたにしては」と言ってしまうと、上から見下されている感じがするかもしれませんが、言い換えれば「昨日までのあなたよりすごいね」と褒めてくれていたのです。

そのことを発見して、親に尋ねてみると
「もちろんそうだよ。はじめからきちんと出来てしまったら、お父さんたちの苦労してきたことがなくなってしまうし、はじめから出来るのは難しいことを知っているから褒めてるんだよ」
と言ってくれて、それ以来、親に褒められることがまた好きになりました。

そこでも親は「そんなことに気がつけたなんてすごいね」と褒めてくれて「ああ、私はまた一つ賢くなったんだな」と思うと、なんだかくすぐったかったのを覚えています。

私は現在「双極性障害」という病気を患っていますが、親が褒めてくれるおかげで、少しずつ鬱の程度が和らいできています。

私は自分で自分の自己評価を下げてしまったので、おそらくこの病気になったのですが、もしも自分がもっと素直だったら、きっと普通の人生を歩んでいて、今よりは暮らしやすいのかな?とも思っています。

でも、双極性障害になったからと言って、今はそこまで悲観的にはなりません。
もちろん、診断を受けた当時はショックでしたし、人と少し違うところがあるかもと思っていたので、「ああ、やっぱりな。」とも思っていました。
その反面、「これで私の普通じゃないところが皆に説明できる!」と思って、少しだけ嬉しかったのも覚えています。

おそらく私は今でも普通ではないし、人並みでもないけれど、それでも「昨日の私より良くなること」を目指して生きていこうと思っています。

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